レトゲプレイ日記

7thドラゴン好きが、プレイ日記書いてます

閑話休題 狂気の花に夢は咲き誇る

おぞましい

その一言でしかない光景だった。突然の竜の襲来。そして、一瞬にして、咲き乱れた「花」

花の蔦が、葉が人々を捕らえ、花弁が胞子が、命を奪っていく

虚ろな瞳で、ヨダレを垂らし譫言を漏らすのは、かつてのハントマン仲間

彼を救う術を、私は持っていない

軽くなった右腕を見る。この悪夢の花に絡みつかれ、予備の短剣で無理矢理切り落とした、利き腕

出血が激しい

頭がクラクラする

足がふらつく

喉が渇いた

生きてる人を、助けを求め、さまよい歩いても、あるのは「花」ばかり

ここは何処だろう?

朦朧とした意識で顔を上げると、そこは大統領府。英雄王ドリスの居城

その城の前で、英雄王は戦っていた

帝竜キングと後に呼称される、巨大な竜と

爪をいなす、牙を避ける、ブレスをその大剣で切り払うように防ぐ

飛びそうな意識の中、悪夢の「花」に囲まれ戦う英雄王を、私は美しいと思った

願わくば、王に勝利を

だが、それも儚い夢と散る。「花」のもたらす瘴気に、英雄王は疲弊し精細さを失っていく

ついにその時は来た

ブレスと見せかけ、王が大剣を振り上げた隙を突いて、竜の顎がその無防備な胴に食らいついたのだ

血反吐を吐く王に私は、この悪夢は最悪の終わり方で幕を閉じるのだと、それを確信した

だが、王は違った。振り上げた大剣を逆手に持ち替え、竜の首へと突き刺したのだ

苦痛に喚き、獲物を投げ出す帝竜。それでも、英雄王の傷も深く、立ち上がる事ができないでいる

ああ、人は無力なのだ

だから、もう苦しまないで、倒れて楽になって?

だが、王は倒れない。地面に膝をつき、震える体を支えながら、彼は

笑った

「竜の王よ、この場は貴様の勝利だがな、だが人間は負けん。俺以上の英雄が生まれようとしてるのだからな」

幻想だろうか、英雄王の言葉に重なり、4人の若者の姿が見える

彼らは、恐れる事なく、この悪夢の「花」を踏み散らし、竜の王に斬りかかる

「僕はまだ保つ!それより、ウィキョウの治療を!」

騎士の青年が叫ぶ

「ざっけんな、お前こそレッドゾーンだろう

が!かっこつけんなよ、ディアブロ!」

答えるは、全身を朱に染めたブシドーの青年

「はわわ、どうしましょう?どっちも大ピンチですよ?」

「男共がかっこつけない。ディアはアタシがパロメディスで治すから、アセビはウィキョウを!」

「わかりましたですよ!ボタンさん!」

ヒーラーの少女とプリンセスの女性が、前衛の2人を癒す

そして…

「トドメだ!おら!散っていった人々の痛みと!英雄王ドリスの信念に負けた自分を悔やみながら!地獄に行きやがれ!」

トドメの剣檄が、竜王に打ち込まれ…

夢?

私の目の前には、今だ無数の「花」が咲き乱れ、英雄王は地に倒れて動かない

だけど…

クスクスと笑いながら、私は生えてきたばかりの「花」を踏み潰す

「彼ら」が、そうしていたように

ざまあみろ

人間は負けないんだ。英雄王が希望を託した英雄がいるのだから

晴れ晴れとした気持ちで、「花」に飲み込まれる私は知らなかった

「彼ら」が、やがて花と竜を駆逐する花と呼ばれる、Blumeと呼ばれるハントマンだと

そして、私も希望を託そう。この悪夢を彼らが終わらせてくれる事を誇りながら

 

 

 

 

 

何となく、ショートストーリーですよー